新しいアスベスト対策として開発された「ハイスペック・アスベスト封じ込め工法」は従来のアスベスト対策である、除去・封じ込め・囲い込み工法の課題を詳細に検討して生まれた新しい発想と技術の封じ込め工法です。
大量かつ安定的に超微細な霧を噴霧する一括全面噴霧技術で、平面だけでなく空中に浮遊しているアスベスト粉塵まで対策できます。
ハイスペック・アスベスト封じ込め工法の主な特長
一括全面噴霧、無人噴霧を可能にした高い噴霧技術
一括全面噴霧を可能にした噴霧器「エアフォグアトマイザー」は、JAXA(独立行政法人宇宙航空開発機構・通称:ジャクサ)の特許技術を使用。国土交通大臣認定薬剤を目詰まりすることなく大量に安定して噴霧することができます。
従来のノズルでは不可能だった低圧噴霧と目詰まりの問題が解消したことにより、無人による一括全面噴霧が可能となり、エレベータシャフト内や天井裏など、既存工法では不可能、または困難であった場所での施工も可能となりました。
工期が短くコストが安い
- 時間と費用のかかる足場の設置(撤去)をほとんどの場合必要としない工法です
- 最小の作業人員で対策が可能、低い人件費で対策できます
- 作業員や周辺に対して必要な現場養生は最低限の養生でOK、時間も掛からず費用も安くすみます
- 廃棄物が少ないので、廃棄処理は低コストです
- ビル使用者の都合に合わせた施工なので、テナントの営業補償も最小です
建物の資産価値を落とさない、周辺に知られず対策可能
足場をほとんど必要とせず、最小限の作業人員など工事そのものが大げさではない為、目立つことなく対策が可能な工法です
また、休日や夜間など日時を選べる施工なので、テナントが営業中のビルや入居中のマンションでも対策可能、ビル使用者や来店客に負担をかけません。
場所を選ばず細部までアスベストを封じ込め
- 人の手が入らない空隙部(天井裏など)
- 足場の設置が困難な場所(エレベータシャフト内など)
- 養生の困難な場所(立体駐車場など)
- 短い工期が要求される場所(営業中のテナントビル・百貨店・学校・病院など)
- 浮遊しているアスベスト粉塵の捕獲(限られた空間中にあるアスベスト)
- アスベスト粉塵の付着状況が目視できない場所(対策したにも関わらず再発見される場所)
高い安全性、無人噴霧と有人噴霧の併用
第一段階の一括全面噴霧は無人噴霧。
表面のアスベストの仮封じ込めと、空間に浮遊するアスベスト粉塵を捕獲し、作業者の安全を高めた後に、厚く噴霧すべき箇所等は必要に応じて有人噴霧を行います。
作業者がアスベストに接触する機会や時間を極力少なくした、作業者の安全性が高い対策です。
また、前処理の仮封じ込めは、ビル使用者や近隣住民の安全も高めています。
耐火性能等、建物の機能性は対策後もそのまま維持
建築基準法の定めに触れることなく耐火・耐久・防音等、建物の機能性は変わりません。
代替材の購入や修繕施工等の追加や付帯コストは生じません
第三者機関による証明
ハイスペック・アスベスト封じ込め工法による対策がなされた物件は、ISO審査認証機関などによる施工時前後の計測や、年数の経過に伴う定期的な測定及び証明書の発行などのサービスを受けることができます。
エレベータシャフトの「ハイスペック・アスベスト封じ込め工法」アスベスト処理
資料提供:ハイアス協議会中四国
従来工法との工法比較
項目 | 従来の工法:除去・封じ込め工法 | ハイスペック・アスベスト封じ込め工法 |
---|---|---|
設計単価(m²) | 約30,000~100,000円 | 約13,000~30,000円 |
費用【事例:Sビル】 2,000m²弱の天井裏 |
43,000,000円 | 10,000,000円 |
工期【事例:Sビル】 2,000m²弱の天井裏 |
約1ヶ月 | 約8日 |
複雑な場所の施工 エレベーターシャフト内 天井裏・狭い箇所等 |
できない | 無人噴霧で可能 |
足場・養生 | 大掛かりな足場・養生を必要 | ほとんどの場合、足場は必要なし 養生は最低限のみ必要 |
作業者の安全 | 危険 | 仮封じ込め材は無人噴霧が可能 高い安全性 |
近隣住民への環境配慮 発塵量 |
厳重に養生しても粉塵飛散の危険性あり 発塵量は大 |
仮封じ込め材で前処理を行う為、安全 発塵量は極少 |
テナント営業への影響 |
|
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建物本来の性能 耐火性・耐熱性・防音性等 |
不十分、または失われる。 性能を元に戻す代替工事が必要。 |
耐火性・耐熱性・防音性等、本来の性能を保持 |
廃棄物 | 大量 | 少量 |
美装性 | できない | カラー・テクスチャーなど自由 |
除去工法の大きな課題
- 目に見える場所の除去は可能ですが、目に見えない場所、人の手の届かない場所のアスベスト対策については、行われない、または物理的に除去が困難な為、対策不可能な場合が多くあります。
- 工期が長く、建物周囲へのアスベスト粉塵飛散を防ぐ為に厳重な養生を必要とします。高いコストがかかった上、入居テナント等の営業に大きな支障を生じさせます。
封じ込め(従来)工法の大きな課題
- 粘性のある固化材が噴霧直後に固化を始めるため、噴霧機器、特に噴霧ノズルの目詰まりが大きな問題となっています。
(ハイスペック・アスベスト封じ込め工法の噴霧器「エアフォグアトマイザー」は、JAXA(独立行政法人宇宙航空開発機構・通称:ジャクサ)の特許技術を使用。ノズルの目詰まりを解消し、一括噴霧を可能にしました) - 除去工法と同じで、対策時にアスベスト粉塵飛散のリスクが大きく、大掛かりな養生や長い工期を必要とします。
囲い込み工法の大きな課題
- 除去工法、封じ込め工法と異なり、アスベスト層に板状材料等を張るなど完全に覆うことでアスベスト粉塵の使用空間への飛散を防ぐ工法です。 アスベストそのものに対する対策でないため、囲い込み材料の損傷等により容易にアスベストが飛散してしまうリスクがあります。
- 通常の内装工事等と同じですが、使用部の美観を損なう、室内の広さや天井の高さが減少する等の弊害があるため、物件の価値や利回りが低下するリスクがあります。
従来工法との工程等比較
資料提供:ハイアス協議会中四国
困難部位の代表
エレベータシャフト(公的機関)
天井裏(民間)
資料提供:ハイアス協議会中四国
アスベストについて
アスベストに関する法的規制・資産除去債務
アスベストの利用の歴史は古いものの、現在でも有効な治療法は確立されていません。
2011年3月期から、ついに、国際会計基準とのコンバージェンスを目的として「資産除去債務」の計上が強制的に適用されてます。
これまで簿外債務にあった「環境債務」はオンバランス化され、資産除去債務を合理的に見積もった上で、財務諸表に計上しなければなりません。
アスベスト健康被害は、建物の経営や資産価値評価だけでなく、風評によるブランドの低下、損害賠償の発生で企業経営に多大な影響を及ぼします。
経営者は早急な対策を求められていますが、ハイスペック・アスベスト封じ込め工法であれば、低コスト、高い安全性と短い工期で周囲に知られることなくアスベスト対策を行えます。
アスベスト(石綿:いしわた・せきめん)とは?
アスベストとは石綿(せきめん、または、いしわた)という天然の鉱物です。成分は、そこらにある石ころとほぼ同じ(ケイ酸、鉄、アルミが主成分)です。非常に安価でありながら、優れた耐火性能や防音性能を持つことから、建設資材分野では多種多様な用途に使用されてきました。
アスベストの特徴は「繊維状」であることです。その太さ(細さ)は髪の毛の5000分の1と言われる極めて細い繊維のため、大気中に飛散しやすい性質を持ちます。アスベスト繊維を吸い込むことにより、アスベスト肺、悪性中皮腫、肺がんなどの病気を発症する恐れがあります。
アスベストは、20年~40年という長い期間、冬眠しているかのように肺に留まり、その後、発病することから「静かな時限爆弾」と呼ばれています。